ラジオDJに憧れて、大学を出てからアナウンスの専門学校に通い、それからいろいろとありましたが、夢かなってラジオの世界で自分の声を電波に乗せ、たくさんの方々の耳に、自分の声を届けることができました。
もちろん今も声の仕事を続けているので、TVのナレーションや動画の中で、私の声を聴く機会もあるかもしれません。
どうやったら自分の声を、しっかりと相手に届けることができるのか?
そんなことに悩みながら練習をしていたころに出会ったのが『朗読』の世界でした。
面白いな…と思った物語を実際に声に出して読んでみる。
これがなかなか難しい。
面白いと思ったこの気持ちを、リスナーにも伝えたい。
でも、どうしたら伝わるだろう?
ひとつひとつの言葉を丁寧に読んでいくこと。
日本語の音の響きを大切にしながら声を出していくこと。
朗読はそこにストーリーがあって、舞台があって、いろいろなキャラクターが登場し、動き、考え、言葉を発する。
「こんな感じでいいのか?」
と、いろいろ悩み、考えながら何度も声に出して読んでいく。
するとだんだんと作品の世界や言葉の一つ一つが体の中に沁みこんでいき、物語をもっともっと深く味わうことができて、
「声に出して読んでみるのも楽しいな…」
と思えるようになってきました。
この『楽しい』と感じた素直な気持ちが、朗読の魅力にはまってしまったきっかけだったように思います。
朗読を続けていくと、
「こんな読み方で、はたして聴いている人に届くのだろうか?」
「この作品の素晴らしさをしっかり伝えられているのだろうか?」
不安になることもよくあります。
でも、私が思うに朗読には『これが正解』『これが正しい朗読』というものはありません。もちろん、表現のテクニック、声の出し方、朗読の技術はいろいろありますが、朗読者本人がまず楽しいと感じ、それが聴いている方々に届き、伝わればそれが素晴らしい朗読だと思うのです。
声に出して様々な文章を読んでみること。そこに楽しさ、面白さを感じてもらえる人が増え、朗読仲間が増えていったらいいな。
そんなことを考えながら、朗読コラムにもいろいろな思いを綴っていこうと思います。
さあ、あなたも朗読をやってみよう!